いつもの電子署名の流れを思い浮かべてみてください。相手のメールアドレスを入力してリンクを送り、相手は自分のスマホでそれを開き、いくつかの画面をタップして署名し、どこかのサーバーがその出来事を記録して、全員にコピーをメールで送る。この一連の流れは、署名する人が別の場所にいることを前提に設計されたものです。その用途では、たしかによくできています。
では、もう目の前の机の向こうに座っている相手を思い浮かべてください。受付に来た患者さん。最初のセッション前のクライアント。作業を終えたあとのお客様。ほしいのは一つの署名で、相手はすぐそこにいます。そうなると、リンクも、メールアドレスの欄も、サーバーとの往復も、起きてもいない問題を解決するための三つの手順になってしまいます。
この記事は、もう一つのやり方を短く案内するものです。その署名を対面で、自分の端末で、何も送らず、相手の側にアカウントもいらずに集める方法です。
メールとリンクの方式が、その場では手間になる理由
標準的な方式には、いくつかの前提が組み込まれています。そして相手が目の前にいるとき、その一つひとつが何かを犠牲にします。
- 何かが始まる前に、相手のメールアドレスを正しく入力する必要があります。対面ではこれが寄り道になり、打ち間違えればリンクはどこにも届きません。
- 署名する人に、二つ目の端末と二つ目の状況を渡すことになります。相手はあなたと話すのをやめて、自分のスマホをのぞき込み始めます。
- 通信を待たされます。リンクが読み込まれ、署名が送信され、確認が返ってくるまで待つことになります。奥の部屋や地下で電波が弱ければ、それだけで全部が止まります。
- 顧客の情報を、第三者のサーバーを経由させることになります。医療や法律など、機微な情報を扱う場面では、これは些細なことではなく、本当に考えるべき点です。
どれも、ツールの作りが悪いという話ではありません。遠隔向けの流れを、対面の場面に使っているだけのことです。
手渡しで完結する。端末は一つ、招待は不要
対面版では、これらがすべて一つの動作にまとまります。フォームを自分の端末で開いたまま、相手に差し出すのです。

送る招待はありません。署名する人はもうここにいるからです。二つ目のアカウントもいりません。相手は同じものを使うからです。確認を待つサーバーもありません。署名は端末上で描かれ、そのままPDFに書き込まれるからです。相手はiPadやiPhoneを手に取り、署名が入るべき欄にサインして、返すだけ。これでやり取りはすべて終わりです。
InPersonFormsでは、署名をAppleのPencilKitで取り込みます。だから指でもApple Pencilでも自然に書けますし、描かれた署名は書き出したPDFに永続的に埋め込まれます。あとから照合しなければならない別画像として残ることはありません。
手渡しがスムーズになるよう、フォームを整えておく
手渡しが楽に感じられるのは、相手が来る前にフォームが準備できているときだけです。作業は、誰かを待たせながらではなく、前もって一度だけ済ませます。
すでに使っているPDFから始めましょう。受付シート、同意書、免責書類などです。それを読み込んで、項目を然るべき場所に配置します。名前の位置にテキスト、日付欄、選択肢にはチェックボックス、そして一番下に署名欄を置きます。そのPDFがAcrobatやWordでフォーム項目付きで作られていれば、それらは自動で検出して変換されるので、もう持っているフォームを描き直す必要はありません。

そのレイアウトをテンプレートとして保存すれば、どの顧客も同じきれいなコピーから始められます。必ず記入すべき項目は必須に設定できるので、署名欄や必須の回答が空のままではフォームを保存できなくなります。これは見かけ以上に効いてきます。端末を行き来させながら使うとき、この検証こそが、書きかけのフォームがそのまま通ってしまうのを防いでくれるからです。

署名する人の体験
相手の側から見ると、体験するものはほとんどありません。それが狙いです。メールは届きません。App Storeへの誘導もありません。「続けるにはアカウントを作成」もありません。自分の情報がすでに入った書類を手渡され、それを読み、署名し、返す。やり取りは、二人がそれぞれの画面を見つめ合うものではなく、二人の会話のまま保たれます。
クライアントプロフィールを保存していれば、連絡先や保存済みの回答を、手渡す前にフォームへ自動で入力できます。だから相手は、入力するというより、ほとんど内容を確認して署名するだけになります。
記録を残し、必要なら共有する
署名のあとは、標準的なフラット化PDFを書き出します。署名はもう書類の一部なので、アプリがなくても、どう署名されたかの前提知識がなくても、誰でもそのファイルを開けます。

署名済みのコピーは端末に、その顧客のほかのフォームと一緒に保管されます。コピーをメールしたり記録システムに入れたりしたければ、できます。後からでも、都合のいいときに。違うのは、送ることがいまや任意になっている点です。署名はすでに、その場で、送信なしに集め終わっています。
どちらの方式がどんなときに合うか
メールとリンクの流れは、署名する人が遠くにいるときに正しい選択です。その場にいない相手には、何かを送る以外に手はありません。けれども、対面で交わされる多くの署名にとっては、遠隔向けの流れは余計な負担です。招待と、二つ目のアカウントと、サーバーとの往復を省くのは、抜け道ではありません。相手が実際にいる場所に合った、ただそれだけの流れです。
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